2024年12月6日金曜日

薇(ぜんまい)白鳥織り





昨年、織り部屋で「薇(ぜんまい)白鳥織り」の話になりました
私はそのあたりの知識がなく、先輩たちの話を聞くに
明治~昭和初期頃まで東北地方でよく織られていた生地で
当時寒さ厳しい東北で、綿花の収穫も少ない中
豊富にある山菜の1つ「薇(ぜんまい)」に付く綿に着目
物のなかった時代、木綿わたと薇わたをあわせ
そこへ海をわたってくる白鳥や水鳥の綿毛を織り込んで
温かい生地を織っていたそうです

時は2023年
100年以上経つと科学も技術も進歩し人々の生活も変わりました
着物から洋服へ変わったのが大きかったかも知れません。
手に入りにくかった木綿や絹も世界中から手に入るし
化繊など発達した化学繊維も流通しています
そうなると手間のかかる薇白鳥織りをしなくても暖かさは保たれ
ぜんまい綿も、真綿も水鳥の毛も材料はあるけど
製糸する人、機械、道具、織る人、どれもが少しずつ失われていき
糸が作れない状態だと聞きました(作れても超高額になる)

話を聞くうちに私は凄く興味を持ちました
今まだどこかで糸が手に入るうちに入手して
専門分野?の巻き物として何か形に出来ないかなと
元々これまで自分の好きなものだけを織ってきたのだから
興味を持ったもので織る事を優先するのが自分っぽいなって
ただその時すでに秋冬のスケジュールが組まれ
織り初めていた為、2024年か2025年に着手出来たらと
ふんわりとした予定で進行

が、時は2024年
実際動くとなると、そこそこデカい壁が
「買おうと思ってたお店の薇+真綿糸が売り切れてる」問題
東北に業者の知り合いも、知人もおらず
イベント終わったらお店に問い合わせる予定でした
糸との巡り合わせは御縁みたいなものもあるので
「あの人に織られたくない」と思ったらウチには来ないだろうと
そう言う感じに半分諦めの境地でいた今年10月

京丹後へ織り部屋の面々で日帰り旅行したときに
呉服屋さん『和心 にしおか』のニッシーに車中で
私「薇真綿糸売り切れてて。ニッシーご存知ない?」
ニ「ほな東北の業者さんに聞いてみたげるわ」

…11/16デザフェス会場で
ニ「あれもう作ってる人がほとんど居らんのやって」
※人だったか機械だったかがもう居ないor無い(うろ覚え)
民間で細々と織られてる事はあるかもだけど
そう言うのは流通とかの表には殆ど出てこないのでノーカウント
私「そっか~無かったら仕方がないよねぇ…」
ニ「京都の老舗の糸屋さんに行ったついでに聞いてみたげるわな
もしかしたら在庫で持ってはるかも知れんし」
私「かっ!神ぃ~!!!!!!」
ニ「無かったらごめんやで(笑)」

それからの今日
ニ「糸ありました。kg単位売りです。買いますか、買いませんか」
私「……買い…ます!!」
ニ「儲けは取らへんからな、お礼はたこ焼きにしてな」
私「もっとエエモンにするから~(笑)」

約2年越しでダメかなって思ってたから
「あなたに織ってもらって構いません」と糸からお許し頂いたみたいな
そんな感じの嬉しさで、なんか吐きそうです(笑)
ほんまニッシーありがとう~!!!

最初に薇白鳥織りを教えて下さった文様ときもの研究家石崎先生
製造過程を教えて下さった織りの大先輩、故 登喜蔵さん
糸を探してくれた登喜蔵さんの奥様、朝子さん
朝子さん経由で探してくれた柴田織物の柴田さん
糸を見つけてくれた和心にしおか のニッシー
皆様どうも有難うございました
心よりお礼申し上げます

糸が届くのは再来週なので、まだ現物も手元にないし
どういう感じに織るとかは決まって無いですが
先輩方のお陰でなんとかスタート出来そうです(*´ω`*)
自分で開いておいてアレですが、織り部屋凄いな…(笑)
あと鬼には存分にゲラゲラと笑ってもらいたい
2025年は薇白鳥織りやりますので!!!!!
制作過程などは随時投稿していきます!

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